4月16日に行われたアメリカ連邦準備制度理事会(FRB)ジェローム・パウエル議長の発言要旨は以下の通りです:

  1. 金利見通し:不確実性は依然として高く、FRBは現在「良好な立ち位置」にあるとし、より明確なシグナルが得られるまで政策スタンスの調整は見送ると述べました。
  2. 経済見通し:米国経済は依然として「堅調」であるとしつつも、第1四半期の輸入増加が成長の重しとなり、GDP成長率は前年よりもやや鈍化する可能性があると指摘しました。
  3. インフレ見通し:関税の影響がこれまでよりも長期化する可能性があり、インフレを押し上げると述べました。3月のPCE(個人消費支出)インフレ率は前年比2.3%、コアPCEは2.6%になると見込まれています。
  4. 雇用市場:全体としてバランスが取れているものの、研究開発資金の削減は雇用に大きな影響を及ぼす可能性があるとし、失業率は今後上昇する見通しであると述べました。
  5. 関税の影響:これまでに実施された関税引き上げは予想を大きく上回っており、政策は今なお調整中であり、その影響は極めて不透明であると述べました。
  6. 暗号資産について:暗号資産は徐々に主流になりつつあり、安定した法的枠組みの整備が必要であると強調しました。また、銀行規制については「一部緩和」が見込まれるとも述べました。
  7. FRBの独立性:FRBの独立性は法律で保証されたものであり、政治的圧力には左右されないと明言しました。
  8. その他の発言:市場への直接的な介入については「FRBが救済に乗り出すことを期待しないでほしい」とし、ドルの流動性が逼迫した場合には、世界各国の中央銀行に対して流動性供給の準備があると述べました。
  9. 市場の反応:米ドル指数は一時下落後に反発、その後再び下落。米国株は下げ幅を拡大し、ナスダックは約4%下落。金(ゴールド)はわずかに上昇しました。