孫宇晨(Justin Sun)氏はX(旧Twitter)にて、First Digital Trust(FDT)によるユーザー資金の盗用と、FTXによる資金流用事件の両方が極めて深刻かつ悪質なユーザー資金の不正使用であるとしつつ、比較するならばFDTの方がさらに悪質であり、「FTXの10倍以上ひどい」と強く非難しました。その理由として、以下の4点を挙げています:
FTX事件では米国当局が迅速に対応
FTX事件後、米国の規制当局および法執行機関は迅速に対応し、破産処理に積極的に介入するとともに、SBFを含む関係者を逮捕し、被害者保護と市場安定のために即座に行動を起こしました。これにより、アメリカ金融界の信頼性に対する大規模な損害を回避することができました。
形式すらなかったFDTの盗用行為
FTXはユーザーの許可なく資金を流用したものの、内部的にはSBF(サム・バンクマン=フリード)がAlameda Researchを代表して、FTXに大量のFTT/SRM/FTX株式/Mapsトークンなどを担保として提示し、あくまで形式上は「貸付」という体裁を取っていました。対してFDTは、ユーザーの承諾もなく、事前説明もなく、完全に無断で資産を盗用しており、内部担保の手続きすら存在しなかったとしています。
FDTの資金使途は私的流用
SBFは不正流用した資金を最終的にRobinhood株やAnthropicなど、ある程度信頼性の高い企業への投資に回しており、私的な浪費や贅沢に使ったわけではなかったとされています。一方、FDTは盗用した資金の大半を個人企業に流用し、実質的な投資活動は一切行っていないと述べられています。
事件発覚後の対応態度の違い
SBFは事件発覚後、少なくとも表面的には事態収拾に努め、法律事務所を雇ってユーザー資産の回復を試みようとするなど、一定の対応を見せました。これに対して、FDTの責任者であるVincent Chok氏は、盗用の事実が明るみに出た後も一切非を認めず、まるで何も起きていないかのように振る舞っているとし、その主観的悪意の深さを非難しています。